フレアフードファクトリー

廃棄ぶどうの有効活用、すべてはそこから始まった。

 理想のぶどうジュースづくりを始めた古屋さん。行政の地域資源活用プログラムに参加し、人手不足や価値調整などから、

県内のブドウ農園の、実に30%近くもの房が収穫できずに廃棄される現状を知る。そうした房を有効活用したいという

思いから、古屋さんは、これまでにない果実感を残した半なまの干しブドウを開発し、食品加工会社FT山梨を創業しました。

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gallery003.jpggallery004.jpgPJ珠イメージ

おばあちゃんが教えてくれたこと

山梨には昔から「ブドー液」というものがあった。
葡萄をつぶして、砂糖を入れて甘味を取る。
いつもブドー液を飲んで育った私にとっては、子供心に炭酸葡萄ジュースがいいなぁと思っていた。
おばあちゃんは悲しそうな顔をして、炭酸葡萄ジュースを僕にくれた。
今になって、おばあちゃんが悲しそうな顔をした理由がわかった。ブドウにとって一番おいしい絞り方の原点は、実はそこにあった。ミキサーが普及して簡単にジュースが作れるようになったが、カッターで撹拌してしまうよりもつぶして搾り出すジュースの方がおいしさが出るのだ。そこがこのジュース作りの原点だった。
もともとそこにあった技術を活かした搾り方で、みんなで笑いながら作業ができる環境。作業をしながら笑っていることが、商品に反映されてくる。 安全管理はもちろんだが楽しさや愛情を持って作業できる現場がいい。
そこから美味しいジュースが生まれてくる。

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半生で果汁感を残し長期保存が可能に

国内に流通しているレーズンの90%以上が、輸入品である。葡萄王国であるやまなしでも、レーズンという加工品が出てきたのは、ここ6,7年のことである。通常、レーズンはもともとの重量の1/5程度まで乾かしてしまう。特に輸入レーズンは、乾燥を防ぐために油でコーティングするという手法を取られることがある。そのため酸化臭が出てきてしまい、食感の固さとあわせて、レーズンに対する苦手意識が生まれてしまったと思う。その中で私は、ブドウを重量の1/3程度に乾かし、砂糖、酒、油などを一切使わずに、果汁感を残した皮までやわらかい半生タイプのレーズンに仕上げることができた。そして生産から加工という工程の中で、お客様と互いの顔が見える関係を築くことにより、最も良い状態の葡萄製品をお届けできるようになった。