GIVE & GIFT

「仕事は楽しく、おいしく」がGIVE&GIFT流

カフェを併設する都市型福祉施設の取り組みとは?

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淀屋橋のオフィス街に、カフェを併設した障がい者福祉施設「GIVE&GIFT」がオープンした。『カフェ』と『福祉』という一見意外な組み合わせとも思えるこのスペースをプロデュースしているのは、今までも学生支援、障がい者施設支援、コミュニティーづくりなど、様々な社会課題に対する事業を行ってきた株式会社「きびもく」とNPO法人「チュラキューブ」。

就労継続支援B型事業所の工賃が低いことは全国的な問題となっているが、中でも大阪府の障がい者工賃は最下位。この問題に対して、全国平均以上に工賃を引き上げることを目的に、様々な角度から取り組んできたチームが今回注目したのは「食」。フードをつくる福祉施設の多くは郊外にあるため、今まではなかなか売れず、そのため工賃がいつまでたっても低いままになってしまっているという現状に対し、都心でフードを作り、都心で販売することができれば、その壁も超えることができるのではないかという思いから「GIVE&GIFT」をオープンさせた。“ 大阪のオフィス街 ”という、数多くの人々が集う地域で、障がいを持つ人々がずっと楽しく働き続けることができる場所を目指しているという。

障がいを持つ人は、ここでは主にランチメニューの調理や、店舗の清掃を担当する。また、週に2・3日の「座学」の時間を設け、「食の楽しさ」「お金の使い方」などを学ぶことで、生きていくことには欠かせない「食」を通して「はたらくこと」や「くらすこと」を楽しむ生涯学習の場ともなっている。

また、もちろんカフェとして食材にもこだわっており、須坂のりんごを使った酸化防止剤を使用していない果汁100%のリンゴジュースや、淡路島で無農薬にこだわって育てられた花岡農恵園の玉ねぎを

使ったバターチキンカレーなど、美味しさはもちろん、安心・健康面も考慮された、やさしいカフェとなっている。

 とても素敵な外観を持ち、一見お洒落なカフェにしか見えないこの施設。ここで、これまでの価値観を覆すような、新しい「福祉」のかたち・コミュニティのあり方が生まれてはじめている。温かい空気を感じに、ぜひ美味しいランチを食べに行ってみてください。